パイナップルには、消化を助けるための消化酵素「ブロメライン」が多く含まれていることが知られており、その効能について注目されています。パイナップルには美容や健康に良いビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれており、健康にも多くのメリットをもたらします。この記事では、パイナップルに含まれている栄養素を細かく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
パイナップルはニキビ・肌荒れに効果的!役立つ栄養素
パイナップルに含まれているニキビや肌荒れに効果的な成分は、以下のとおりです。
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ビタミンC:肌の炎症やダメージを改善し、ニキビ跡やシワを減らします。また、ビタミンCはメラニン色素の合成を抑制し、シミやニキビ跡の色素沈着を目立たなくする効果もあります。
ビタミンB1:肌のターンオーバーを促進し、肌荒れやニキビを防ぐ効果があります。また、ビタミンB1には紫外線によるダメージを予防する作用もあるとされています。
ブロメライン:抗炎症、血行促進、抗菌、口内清浄作用があります。ニキビに対しては、炎症を軽減し、アクネ菌の増殖を抑制し、皮脂や老廃物の排出を促すことで改善や予防に役立ちます。
食物繊維:ニキビの原因となる有害物質や老廃物を排出する作用があります。食物繊維を豊富に含む野菜やパイナップルを摂取することで、腸内環境を改善し、ニキビの少ない肌を手にいれることができます。
この中でも特に、ビタミンCがニキビには効果的です。ビタミンCには、抗酸化作用やコラーゲン生成を促進する効果があり、シミやくすみを予防する効果があるため、パイナップルの摂取はニキビの改善に役立つとされています。
パイナップルは美肌効果も!役立つ栄養素
パイナップルに含まれている美肌に効果的な成分は、以下のとおりです。
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ビタミンC:コラーゲンの生成を促進するため、肌のハリや弾力を保つ効果があります。
ビタミンA:肌のターンオーバーを促進し、シミやくすみを防ぐ効果があります。
ブロメライン:タンパク質を分解する酵素で、肌の古い角質を取り除くことで、肌の明るさや透明感をアップさせる効果があります。
ポリフェノール:ポリフェノールは、強い抗酸化作用があり肌の老化を防ぐ効果があります。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、皮膚の弾力性を高めるだけでなく、抗酸化作用によって肌を守ります。さらに、肌のターンオーバーを促進して健康な肌を保ちながら、メラニンの生成を抑制してシミやくすみを改善する美肌効果にもっとも優れている栄養素です。
パイナップルは高血圧やむくみ予防にも!役立つ栄養素
パイナップルに含まれている高血圧やむくみ予防に効果的な成分は、以下のとおりです。
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カリウム:高血圧予防に役立ちます。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄するため、血圧を下げる効果があります。
ブロメライン:血液の循環を促進し、血栓を防ぐ効果があります。
ビタミンC:血管を強化し、血圧を下げる効果があります。また、ビタミンCには抗酸化作用もあり、血管内の酸化ストレスを軽減する効果も期待できます。
フィブリン:血液の循環を促進し、血栓を防ぐ効果があります。
カリウムは体内でナトリウムとバランスを取りながら神経や筋肉の正常な働きを維持するために必要な栄養素です。カリウムが不足すると、高血圧やむくみなどの症状が引き起こされることがあります。適切なカリウムの摂取が、これらの症状を予防するためにも効果的です。
パイナップルはダイエット効果にも!役立つ栄養素
パイナップルに含まれているダイエットに効果的な成分は、以下のとおりです。
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ブロメライン:食事から摂取したタンパク質の吸収が促進され、代謝が活性化されます。また、ダイエット中の身体の不調や疲れを軽減する効果も期待できます。
カリウム:カリウムは、ナトリウムとのバランスを調整することで、むくみの改善に役立ちます。
食物繊維:食物繊維は、腸内環境を整え便秘を改善する効果があります。
パイナップルは100gあたり50キロカロリーと低めですが、含まれる炭水化物は10gのため、糖質制限をしている人は注意が必要です。パイナップルに含まれるブロメラインが、タンパク質をアミノ酸に分解することで、脂肪燃焼の効果があります。パイナップルに含まれるマンガンは、食べたものをきちんと消化するために必要な栄養素で、1日に必要なマンガンの量は、成人男性で2.3mg、成人女性で1.8mgとされています。パイナップル100gあたり0.93mgのマンガンが含まれているため、約40%ほどを摂取できるということになります。
パイナップルは消化やデトックス効果も!役立つ栄養素
パイナップルに含まれている消化やデトックスに効果的な成分は、以下のとおりです。
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ブロメライン:胃酸や胃液の分泌を促進し、食べ物をスムーズに消化・吸収する働きがあります。また、ブロメラインには炎症を抑制する効果もあるため、消化器系のトラブルによる不快感を軽減する効果も期待できます。
ブロメラインは60度以上の熱を加えるとその働きが失われてしまうため、生で食べることがおすすめです。生で食べることによってデトックス効果もあり、身体の中の老廃物や余分な塩分を排出する働きを促進します。パインデトックスを実践するためには、生のパイナップルや生姜、バジルを使った「パインデトックスウォーター」を作るのが一番良い方法ですが、はちみつやを加えるとより美味しく飲めるでしょう。
パイナップルは腸内環境改善や便秘解消効果も!
パイナップルには食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果があります。また、消化酵素のブロメラインが便通を促進し、便秘解消にも役立ちます。ただし、パイナップルを食べすぎると食物繊維の摂りすぎにもなり、下痢や腹痛の原因となることがあるため、適量を守って摂取することが大切です。
パイナップルのビタミンB1は疲労回復効果も
パイナップルに含まれるビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変える際に重要な役割を果たしています。疲労回復には欠かせない栄養素であるため、パイナップルを食べることで疲労回復効果が期待できます。
パイナップルの栄養をそのまま取り入れる食べ方
皮を向いて生の状態で食べる
パイナップルの皮を向いて生の状態で食べるときの手順、注意点、ポイントは以下のとおりです。
手順:
- パイナップルを洗い、水分を拭き取ります。
- 上下を切り落とします。
- 皮を切り落とします。パイナップルの皮が硬い品種は、包丁の刃を浅く入れ、皮を削りながら回していきます。
- 切り口を下にして、果肉を1センチ程度の厚さにカットします。
- カットしたらお皿に盛り付けて、召し上がってください。
注意点やポイント:
- パイナップルには酵素「ブロメライン」が含まれており、これが口の粘膜を刺激し、ピリッとした感覚を与えることがあります。そのため、食べ過ぎには注意しましょう。
- パイナップルにはアレルギー反応を引き起こす成分が含まれているため、アレルギーを持っている場合は適量にとどめましょう。
- パイナップルは酸味があるため、口内炎や胃腸の痛みがある場合は控えたほうが良いです。
- 包丁を使う際は、十分に注意して作業しましょう。
傷む前に早めに食べる
パイナップルを早めに食べる場合の手順、注意点、ポイントは以下のとおりです。
手順:
- パイナップルを水で洗い、表面の汚れを取ります。
- パイナップルを縦に半分に切り、芯を取り除きます。皮を削ぎ、食べやすい大きさにカットします。
- カットしたパイナップルを冷蔵庫で冷やします。パイナップルは冷蔵保存で2〜3日しか日持ちしません、食べきれない場合は冷凍保存がおすすめです。
注意点やポイント:
- パイナップルが傷むと、酸味や苦味が強くなることがあります。また、腐敗臭、発酵臭、あるいはお酢のような匂いがすることがあります。
- パイナップルが傷むと皮がへこみ、茶色い斑点が現れます。パイナップルは、空気に触れることで茶色く変色するので、密封できる容器に入れて変色を防ぎましょう。
- パイナップルは、ビタミンCやマンガン、消化酵素などの栄養素が豊富に含まれています。食物繊維も豊富で、便秘や高血圧、糖尿病などの予防に効果がある一方、ショ糖(スクロース)の割合が高いため血糖値の上昇に注意が必要です。
パイナップルに含まれる栄養素一覧
パイナップルに含まれる栄養素と100gあたりの含有量は、以下のとおりです。
栄養素 |
含有量(100gあたり) |
カロリー |
48kcal |
たんぱく質 |
0.5g |
脂質 |
0.1g |
炭水化物 |
12.2g |
食物繊維 |
1.2g |
ビタミンC |
20mg |
ビタミンB1 |
0.08mg |
ビタミンB2 |
0.03mg |
ビタミンB6 |
0.11mg |
フォリック酸 |
10μg |
カルシウム |
13mg |
マグネシウム |
12mg |
リン |
8mg |
ナトリウム |
1mg |
カリウム |
146mg |
鉄 |
0.3mg |
マンガン |
0.93mg |
ブロメライン |
0.5〜1.5g |
βカロテン |
18μg |
ナイアシン |
0.5mg |
葉酸 |
10μg |
灰分 |
0.5g |
パイナップルのデメリットもある?毎日食べると体に悪い?
パイナップルは果物の中では比較的低カロリーであり、ダイエット中にも適しています。しかし、パイナップルに含まれるショ糖(スクロース)は血糖値の上昇を引き起こす可能性があるため、1日に5〜6切れ程度にしましょう。
また、パイナップルには、アレルギー症状を和らげる働きがあるとされる消化酵素ブロメラインが含まれていますが、一方で、ラテックスフルーツ症候群という、ラテックスによるアレルギーに似た症状を引き起こすタンパク質も含まれています。そのため、摂取量には注意が必要であり、アレルギー体質の方は特に注意が必要です。