近年、甘いりんごブームが来てから酸味が強く、小ぶりな紅玉りんごは脚光を浴びることが少なくなってしまいました。しかし、りんごの中でも加熱調理には最も適していると言えるのが紅玉りんごです。今回はそんな紅玉りんごの旬な時期や品種の特徴について紹介します。また、美味しい食べ方についてもまとめていますので参考にしてみてください。
紅玉りんご(福島)の旬な時期はいつ?食べ頃は?
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9月
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10月
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11月
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上旬
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中旬
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下旬
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上旬
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中旬
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下旬
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上旬
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中旬
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下旬
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紅玉りんご
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紅玉りんご
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紅玉りんごの収穫時期は9月中旬から10月上旬ごろです。10月の半ばくらいが最も市場に出回る時期と言えます。また、貯蔵されたものが春先まで出回ることもありますが、紅玉りんごは日持ちしない品種なので限られた時期にしか見かけない品種です。
h3紅玉がおすすめ
トドクヨでは、すっきりとした酸味でアップルパイなどに最適な紅玉りんごがおすすめです。
甘いりんごが流行っている中で、酸味を強みとしているりんごは紅玉りんごだけです!
紅玉りんごとは?品種の特徴・歴史や由来も紹介
紅玉りんご(福島)の特徴
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読み方
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こうぎょく
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時期
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9月中旬〜10月上旬
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糖度
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13〜15度程度
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色の特徴
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真っ赤
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食感・硬さ
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硬め
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1玉あたりの重さ
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200g前後
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1kgあたりの玉数
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4〜5玉
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品種の掛け合わせ
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エソパス・スピッツェンブルグの実生
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主な産地
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青森県
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紅玉りんごは1800年ごろにアメリカで発見された品種です。日本には1871年に入ってきました。当時はさまざまな呼び名がありましたが、1900年に紅玉に統一されました。
酸味が強い品種のため、甘い品種が流行り始めたころには「猿も食べない紅玉」と言われ、市場から姿を消しかけた時期もありました。しかし、親として非常に優れた性質を持っていることや、加工食品に向いていることから生産量が元に戻っています。
名前の通り、果皮が真っ赤に染まるのが特徴です。
紅玉りんご(福島)は甘い?糖度や味の特徴
紅玉りんご(福島)の味のイメージ
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甘味
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★★★
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酸味
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★★★★★
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食感
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★★★★
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果汁
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★★★★
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香り
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★★★★
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紅玉りんごは甘みのある品種ですが、すっきりとした酸味が特徴です。硬めの果肉はパリッとした食感で歯ごたえがあります。香りは爽やかで、ジューシーなのも紅玉の魅力と言えます。甘いりんごよりも、酸味があってすっきりしたりんごが好きという人は紅玉りんごがおすすめです。
紅玉りんご(福島)の見分け方は?大きさや種の特徴
紅玉りんごの見分け方は、果皮が真っ赤に染まることと、200g前後というサイズの小ささです。果肉は黄色く、ギュッと濃縮されたような食感です。りんごの種は通常10〜20個ほど含まれており、紅玉りんごも一般的な数含まれています。
紅玉りんご(福島)の選び方のコツ
紅玉りんごの選び方のコツは以下のとおりです。
- 軸がしっかりしているもの
- 重みがあるもの
- 全体が赤くなっているもの
- 果皮にハリがあるもの
軸がしっかりしているもの
りんごの上部には軸がついています。その軸が太くてしっかりしているものを選ぶようにしましょう。軸は果実に水分や栄養素を運ぶ役割をしています。軸のしっかりとしたりんごを選ぶことによって、水分や栄養素をたっぷり蓄えた美味しいものに巡り合えるのです。
重みがあるもの
りんごを選ぶときには、同じような大きさであっても重みがあるものを選ぶと良いです。重みがあるものは水分がしっかりと含まれているため、ジューシーなものが多いと言えます。
全体が赤くなっているもの
紅玉りんごは、果皮の全体が真っ赤に着色する品種ですので、お尻の部分まで赤く染まっているものを選ぶようにしましょう。ムラなく着色しているものはたっぷりと光を浴びて育っているので、美味しさも増します。
果皮にハリのあるもの
果皮にハリのあるものは、鮮度が良い証です。紅玉りんごは傷みが早く、すぐに柔らかくなってしまう品種ですので、果皮にハリがあって表面にツヤのあるものを選びましょう。
紅玉りんご(福島)の切り方や美味しい食べ方は?
紅玉りんごの切り方や美味しい食べ方のポイントをまとめてみました。
紅玉りんごは加熱調理に最適な品種と言えます。アップルパイやジャムにするのがおすすめの食べ方です。
紅玉りんごの酸味がアクセントとなり、美味しさを引き立ててくれます。また、果肉が硬めなので煮崩れしにくいのも加熱調理に向いている理由の一つです。
ジャムを作るときに、レモン汁を使用することがありますが、紅玉りんごは酸味が強いのでレモン汁の量を少なくしても美味しいジャムを作ることができます。
また、りんごに含まれる甘味成分の果糖は冷やすことで甘みが増すという性質を持っています。より一層甘い高徳りんごを食べたいときには冷蔵庫で冷やしてから食べると良いでしょう。
紅玉りんご(福島)の食べ頃や追熟の目安は?
紅玉りんごの食べ頃や追熟の目安は以下のとおりです。
- りんごのお尻が赤くなっていたら食べ頃
- 油上がりによって光沢が出てきたら食べ頃
- 追熟はエチレンを活用する
紅玉りんごはひっくり返してみて、お尻の部分まで赤く染まっていたら食べ頃と言えます。
また、りんごは熟すと油上がりといって果皮にワックス成分を分泌します。紅玉りんごはワックス成分が多い品種ですので、果皮に光沢が出ます。
果皮に光沢が出てきたら、完熟している状態ですので早めに食べるようにしましょう。
追熟はりんご自身が発するエチレンを活用して行います。りんごをポリ袋などに入れ、口を閉めた状態で野菜室などで保存しましょう。
りんごから出たエチレンは、甘味を強くしたり、果肉を柔らかくする働きがあるため、ポリ袋に入れて保存することで追熟を行うことができます。
紅玉りんご(福島)の保存方法は?
紅玉りんごの保存方法の手順を紹介します。りんごの保存方法では、いくつかポイントがありますので参考にしてみてください。
- りんごにキッチンペーパーや新聞紙を巻く
- ポリ袋に入れる
- 野菜室で保存する
紅玉りんごを保存するときには、キッチンペーパーや新聞紙を巻いてポリ袋に入れましょう。キッチンペーパーや新聞紙は急な温度変化を緩和してくれる役割があります。
また、ポリ袋の口は必ず閉めるようにしてください。りんごから出るエチレンは他の食品にも影響し、早く傷んでしまう可能性があります。特に、紅玉りんごはエチレンの量が多い品種ですので、お互いにエチレンの影響を受けないためにも1つ1つ新聞紙に包むなどの対策が必要です。
また、りんごは水分が失われやすい果物なので、乾燥しないためにもしっかりとポリ袋の口は閉めてください。
変色を防ぐ方法
りんごは切ってから時間が経つと茶色く変色してしまうことがあります。これを褐変(かっぺん)と言います。褐変はりんごに含まれているポリフェノールが空気に触れて酸化することによって引き起こされます。
褐変を防ぐ方法はいくつかあります。
- 食塩水に浸す
- 砂糖水に浸す
- ハチミツを溶かした水に浸す
- レモンを絞る
- 炭酸水に浸す
食塩水に浸す方法は、ボウルに1つまみくらいの食塩を溶かして2〜3分浸しておくだけで褐変を防ぐことができます。
食塩水に浸す方法では、りんごがしょっぱくなってしまって困るというひとは砂糖水に浸す方法もあります。2カップの水に大さじ2杯ほどの砂糖を溶かして15分程度浸しておきましょう。
ハチミツの場合には、1カップの水に大さじ2杯程度溶かす必要がありますが、浸す時間は1分程度でも構いません。
水に調味料を溶かすのが面倒という人は、レモンをりんごに絞る方法でも褐変を防ぐことができます。かけすぎると酸っぱくなってしまうので注意が必要です。
褐変を防ぎたいけど、りんごの味が変わってしまうのは嫌だなという人は炭酸水に浸すのがおすすめです。5分ほど浸すことで褐変を防ぐことができますので、ぜひ試してみてください。
紅玉りんご(福島)の日持ちの目安は?
紅玉りんごの日持ちの目安は保存する環境によって異なります。
- 常温保存:10日前後
- 冷蔵保存:1ヶ月前後
- 冷凍保存:1ヶ月
紅玉りんごはあまり日持ちしない品種です。収穫から10日前後で柔らかくなってしまうため、なるべく早く食べるようにしましょう。
紅玉りんご(福島)の成分・栄養素
紅玉りんごにはたくさんの栄養素が詰まっています。紅玉りんごの成分・栄養素は以下のとおりです。
皮付きのりんご100gに含まれる成分
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エネルギー
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56kcal
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たんぱく質
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0.2g
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脂質
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0.3g
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炭水化物
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16.2g
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灰分
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0.2g
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カリウム
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120mg
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カルシウム
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4mg
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マグネシウム
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5mg
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リン
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12mg
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βカロテン
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27μg
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ビタミンC
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6mg
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食物繊維
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1.9g(水溶性0.5g、不溶性1.4g)
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このほかにも、ペクチンやポリフェノールといった栄養素も含まれています。
紅玉りんご(福島)の効果・効能について
紅玉りんごにはたくさんの栄養素が含まれていることがわかりました。ここでは、それぞれの栄養素がどのような効果・効能を示すのか紹介します。
血圧の上昇を抑える
りんごに含まれるカリウムやペクチンは血圧の上昇を抑える効果があります。血圧を上げる塩分はナトリウムという成分からできています。カリウムやペクチンはナトリウムを体の外に排出する働きがあるため、血圧の上昇を抑えます。
胃や腸の調子を整える
りんごに含まれる食物繊維は胃や腸の調子を整える効果もあります。胃酸の量を調節することによって、胃痛や消化不良を予防します。また、善玉菌を増やす働きによって整腸作用を期待できるため、便秘がちな女性などには積極的に食べてほしい果物です。さらに、りんごはすりおろすことで赤ちゃんなどでも食べることができるため、赤ちゃんのお腹の調子が良くないときなどにもおすすめです。
貧血を予防する
りんごは貧血を予防する効果もあります。りんごに含まれるビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きがあります。また、胃の調子を整えることによって鉄分を吸収しやすくしてくれます。そのほかにも、りんごに含まれるリンゴ酸なども貧血予防に効果的な栄養素です。
動脈硬化予防や血糖値の上昇を抑える
りんごに含まれる食物繊維は動脈硬化の予防や血糖値の上昇を抑える働きがあります。食物繊維は血液中にコレステロールが入るのを防いでくれます。コレステロールの高い食品を食べるときには、りんごも一緒に食べるのがおすすめです。
アレルギー症状の抑制
りんごにはポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは花粉症やアトピーなどのアレルギー症状を抑制する効果があります。また、そのほかにも動脈硬化の抑制や虫歯の予防、美白効果なども発揮してくれます。ポリフェノールはりんごの皮や皮に近い部分に多く含まれていますので、剥かずに食べると良いでしょう。
紅玉りんご(福島)の産地や生産量は?
紅玉りんごは青森県や長野県、山形県、福島県で栽培されている品種です。2001年の収穫量は10600トンで出荷量は9450トンでした。また、福島県の生産量は185トンです。
紅玉りんご(福島)の値段・価格相場
紅玉りんごは甘いりんごが流行り始めてからスーパーで見かけることは少なくなりましたが、4個入りで398円などで購入することができていました。また、産地直送などの通販では2.5kgで2500円程度で購入が可能です。加熱調理に適している品種ですので、お菓子作りなどに使ってみてくださいね。