コレクション: 久能みかんの通販・お取り寄せ・産地直送

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久能みかんとは?

久能温州(くのううんしゅう)、通称「久能みかん」は、昭和の時代から愛され続けている温州みかんの品種です。その起源は古く、1946年(昭和21年)に農林省園芸試験場(現在の農研機構)において、「長橋温州(ながはしうんしゅう)」の珠心胚実生(しゅしんはいみしょう)から選抜育成されました。

親品種である長橋温州に、甘みの強い「ジョッパオレンジ」の花粉を交配して得られた実生個体の中から選抜されたという経緯を持ちます。

その後、特性調査を経て1971年(昭和46年)に「みかん農林3号」として登録されました。品種登録から半世紀以上が経過していますが、その食味の良さと栽培のしやすさから、現在でも静岡県などの主要産地で根強い人気を誇ります。

分類としては「中生(なかて)温州」に属し、早生みかんのシーズンが終わり、晩生みかん(青島温州など)が出る前の12月上旬から中旬にかけて旬を迎える重要な品種です。

品種名 久能温州(くのううんしゅう) / 久能みかん
分類 中生温州(なかてうんしゅう)
育成機関 農林省園芸試験場(現:農研機構)
来歴 長橋温州 × ジョッパオレンジ(珠心胚実生より選抜)
登録年 1971年(昭和46年)農林認定品種
主な特徴 果実が扁平で大玉傾向、糖度が高く食味良好
樹勢 強い(枝の伸長が良い)
注意点 収穫が遅れると「浮皮(うきかわ)」になりやすい
久能温州の果実
図:扁平で色づきの良い久能温州の果実

久能みかんの味の特徴

久能みかんの最大の特徴は、その「濃厚な味わい」にあります。近年の新品種は糖度だけを極端に追求したものも多い中、久能みかんは「甘み」と「酸味」のバランスが絶妙に取れており、昔ながらの「みかんらしいコク」をしっかりと感じることができます。

食べた瞬間に口の中に広がる果汁は非常にジューシーで、糖度の数値以上に甘さを強く感じさせます。これは、適度な酸味が味の輪郭を引き締めているためです。

親品種であるジョッパオレンジの影響か、香りも豊かで、柑橘特有の爽やかな風味が鼻に抜けます。早生みかんのような軽やかな甘さとは一線を画す、中生品種ならではの深みのある味わいは、こたつで食べる冬のみかんとして最適です。

久能みかんの参考糖度

品質レベル 糖度(Brix) 味わいの目安
標準品 11度 〜 12度 甘みと酸味のバランスが良く、さっぱりとしつつもコクがある。
高糖度品 13度 〜 14度以上 非常に濃厚な甘み。贈答用や特選品として扱われるレベル。

一般的な温州みかんの糖度が10度から11度程度と言われる中で、久能みかんは標準的な栽培でも11度から12度、適切な管理(マルチ栽培など)が行われたものは13度から14度という高い糖度に達します。

特に収穫直後の新鮮な状態では酸味が残っていることがありますが、貯蔵することで酸が抜け(減酸)、まろやかな甘みが際立つようになります。12月に出回るものは、木の上でしっかりと完熟させるか、収穫後に予措(よそ)と呼ばれる乾燥工程を経て味が凝縮されているため、ハズレが少なく安定して美味しいのが特徴です。糖度計の数値だけでなく、酸味との比率(甘味比)が高いため、食味の満足度が非常に高い品種です。

久能みかんの見た目の特徴

久能みかんの果実は、温州みかんの中でも比較的「大玉」になる傾向があります。形状は腰が低く、横に広がったような「扁平(へんぺい)」な形をしているのが大きな特徴です。この平べったい形は、果実が充実している証拠とも言われます。

果皮の色は濃い橙色(オレンジ色)で、艶があり美しい外観をしています。果面は滑らかで、油胞(ゆほう:皮のつぶつぶ)は微細です。玉揃いが良いため、箱詰めした際の見栄えも優れています。ただし、熟期を過ぎて木にならせ続けると、皮と実の間に隙間ができる「浮皮」が発生しやすいため、生産者はタイミングを見極めて収穫を行っています。店頭で選ぶ際は、皮が実と密着しており、持った時にずっしりと重みを感じるものを選ぶと良いでしょう。

久能みかんの果肉や食感の特徴

皮を剥いて房(じょうのう)を口に入れると、その果肉の柔らかさに驚かされます。じょうのう膜(内側の薄皮)は比較的薄く、口の中に残りにくいため、子供からお年寄りまで食べやすいのが魅力です。

果肉(砂じょう)は柔らかく、噛むとたっぷりの果汁が溢れ出します。パサつきが少なく、瑞々しい食感を楽しめます。缶詰のシロップ漬けなど加工用としての適性も認められているほど、果肉の質が安定しており、崩れにくい適度な弾力も兼ね備えています。また、基本的には種が入らない(無核)品種であるため、種を気にせずストレスなく食べられる点も、家庭用フルーツとして愛される理由の一つです。

久能みかんの旬な時期

10月 11月 12月 1月 2月
生育状況 着色開始 成熟期(中旬) 完熟 - -
収穫・出荷 - 収穫開始(下旬) 最盛期(上旬〜中旬) 貯蔵品出荷 -

久能みかんの成熟期は11月中旬頃です。早生みかん(9月〜11月)と晩生みかん(1月〜3月)のちょうど端境期を埋める「中生(なかて)」品種として重要な役割を担っています。

具体的な収穫のピークは11月下旬から12月上旬にかけてです。市場に出回る旬の時期は12月上旬から中旬がメインとなります。この時期はちょうどお歳暮シーズンやお正月の準備期間と重なるため、冬のギフトとしても重宝されます。12月中に収穫されたものは、年内いっぱいはフレッシュな味わいを楽しめ、年明けには貯蔵されて酸味が抜けたまろやかな味わいのものが出荷されることもあります。まさに「こたつでみかん」のシーズンにぴったりの品種です。

久能みかんの食べ方・剥き方

久能みかんは、一般的な温州みかんと同様に、手で簡単に皮を剥くことができます。ナイフなどの道具は一切不要です。ヘタの方からではなく、果頂部(お尻のへこんでいる方)から親指を入れて剥くと、綺麗に剥くことができます。

食べる際は、白い筋(アルベド)を完全に取り除いてしまう人もいますが、この部分にはビタミンP(ヘスペリジン)や食物繊維が豊富に含まれているため、健康のためには筋ごと食べるのがおすすめです。また、果肉がしっかりしているため、横半分にカットして「スマイルカット」にしても美しく、デザートの添え物としても映えます。量が多くて食べきれない場合は、搾ってフレッシュジュースにしたり、皮を干して「陳皮(ちんぴ)」として入浴剤や薬味に利用したりと、余すところなく活用できます。

久能みかんの栄養素について

栄養素 主な働き
ビタミンC 抗酸化作用、免疫力向上、美肌効果、風邪予防
β-クリプトキサンチン 骨粗鬆症予防、抗酸化作用、発がん抑制作用の可能性
ビタミンP(ヘスペリジン) 毛細血管の強化、血流改善(白い筋に多い)
クエン酸 疲労回復、代謝促進
カリウム 余分な塩分の排出、むくみ防止、血圧調整

久能みかんを含む温州みかんは、冬場の貴重なビタミン供給源です。特にビタミンCの含有量は豊富で、Mサイズのみかんを2〜3個食べるだけで、成人が1日に必要とするビタミンCを摂取できると言われています。ビタミンCは風邪の予防や肌の健康維持に欠かせない栄養素です。

また、近年注目されているのが、みかんのオレンジ色の色素成分である「β-クリプトキサンチン」です。これには強力な抗酸化作用があり、骨粗鬆症の予防や生活習慣病のリスクを下げる効果が期待されています。さらに、白い筋や袋に含まれるペクチン(水溶性食物繊維)は整腸作用があり、便秘解消にも役立ちます。美味しく手軽に食べられる健康食品として、毎日の習慣に取り入れたい果物です。

久能みかんを美味しく食べるための保存方法

みかんは生き物であり、収穫後も呼吸をしています。適切な保存方法を守ることで、美味しさを長く保ち、カビや腐敗を防ぐことができます。基本的なポイントは以下の通りです。

  • 直射日光を避け、風通しの良い冷暗所に置く。
  • 箱で購入した場合は、一度すべて取り出し、傷んでいるものを取り除く。
  • 底の方のみかんに重みがかからないよう、並べ替える。
  • ヘタを下にして置くと乾燥しにくく長持ちする。

常温で保存する場合のポイント

冬場の暖房の効いていない部屋(廊下や玄関など)であれば、常温保存が基本です。温度は5〜10度くらいが理想的です。ザルやカゴなど、通気性の良い容器に入れて保存しましょう。箱のまま保存する場合は、ふたを開けたままにするか、側面に穴を開けて通気を確保します。また、乾燥を防ぐために新聞紙を被せておくのも有効です。時々上下を入れ替えて、特定のみかんに圧力がかかり続けないように注意してください。傷んだみかんを見つけたら、すぐに取り除かないと周囲に移ってしまいます。

冷蔵で保存する場合のポイント

暖房が効いている暖かい部屋しかない場合や、長期保存したい場合は冷蔵庫の野菜室を利用します。ただし、そのまま入れると乾燥して皮がしなびたり、低温障害を起こして味が落ちたりすることがあります。これを防ぐために、みかんを数個ずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて口を軽く縛ってから野菜室に入れましょう。乾燥を防ぎつつ、適度な湿度を保つことができます。食べる際は、少し前に冷蔵庫から出して常温に戻すと、甘みを感じやすくなります。

保存期間の目安

保存環境 期間の目安
常温(冷暗所) 2週間 〜 3週間
冷蔵(野菜室) 3週間 〜 1ヶ月
冷凍 1ヶ月 〜 2ヶ月(冷凍みかんにする場合)

上記はあくまで目安であり、購入した時点での鮮度や個体差によって異なります。久能みかんは皮が浮きやすい傾向があるため、長期保存にはあまり向きません。皮が浮いてくると味が淡白になりやすいため、なるべく早めに食べ切るのが一番美味しくいただくコツです。もし大量にあり食べきれない場合は、皮を剥いて房ごとに分け、冷凍保存して「冷凍みかん」として楽しむのもおすすめです。シャーベットのような食感になり、冬の温かい部屋で食べる楽しみが増えます。

久能みかんの主な産地

都道府県 主な栽培地域 特徴
静岡県 静岡市(久能地区)、浜松市、その他県内全域 発祥の地であり、主力品種の一つ。傾斜地を利用した栽培が盛ん。
その他 関東〜九州の柑橘産地 適応性が広く、全国の産地で導入されているが、静岡が圧倒的シェア。

久能みかんの主産地は、その名の通り静岡県です。特に静岡市駿河区の久能地区周辺や、日本有数のみかん産地である浜松市(三ヶ日地区等)などで栽培されています。平成24年(2012年)時点での栽培面積は約150haと報告されています。

この品種は樹勢が強く、枝の伸長が良いという特性を持っています。そのため、土壌が深く肥沃な平地(水田転換園など)よりも、水はけが良く乾燥しやすい「傾斜地」での栽培に適しています。静岡県の産地は急峻な斜面を利用した段々畑が多く、日当たりと水はけの良さが久能みかんの濃厚な味を引き出しています。静岡のみかん農家が長年培ってきた栽培技術と、久能みかんの品種特性がマッチし、高品質な果実が生み出されています。

久能みかんがおすすめな人

  • 昔ながらのみかんの味が好きな人:最近の甘すぎる品種よりも、適度な酸味とコクのある伝統的な味を好む方に。
  • ジューシーな果実を求めている人:果汁が豊富で、口いっぱいに広がる瑞々しさを楽しみたい方に。
  • 食べやすいみかんを探している人:皮が剥きやすく、内皮も薄いため、子供や高齢者にも最適。
  • 冬のギフトを探している人:お歳暮の時期に旬を迎え、外観も見栄えが良いため贈答用にぴったり。
  • 美容と健康を意識する人:ビタミンCやβ-クリプトキサンチンを手軽に美味しく摂取したい方に。

久能みかんは、奇をてらわない「王道のみかん」です。こたつに入って家族団らんのひとときを過ごす際、その中心にあるのにふさわしい存在と言えるでしょう。甘いだけではない、柑橘本来の奥深い味わいを楽しみたい方は、ぜひ冬のスーパーや直売所で「久能(くのう)」の名前を探してみてください。その歴史と産地の情熱が詰まった一粒が、冬の寒さを和らげてくれるはずです。